データ復旧できなくなるランキング

  1. 某業者に無料診断を依頼した(人質作戦の落とし穴にはまった)
  2. データ復元ソフトでスキャンした(自力で何とかしようとする気持ちは理科できますが・・・)
  3. PCメーカー製の診断ソフトでスキャンした(データ復旧とは目的が異なるソフトですよ)
  4. デフラグを実行した(異常を感じた後はこの操作を実行したらいけません)
  5. スキャンディスクを実行した(重要なデータを確保した後ならしてもいいですが・・・)

ハードディスクの障害診断について

診断装置の判定結果が間違い?

殆どのデータ復旧専門業者(99%以上)は、ハードディスクの診断や修復及び復旧に海外製のプロ用機器が利用されています。

下の表は最もシェアの高いロシア製のデータ復旧装置で判定される場合の色分けによる障害レベルの判定結果です。(色表示は標準設定の場合)

この某社の診断結果は、殆どを中度~重度と判定されているようです。(つまり軽度のケースがない)

データを消失して困っているユーザーに対し、このような手口で高額な復旧料金を見積る大手データ復旧業者が複数存在する(1法人で多数のデータ復旧会社を運営している)業界です。

膨大なネット広告、豪華なパンフレット、地代家賃が超高額な立地条件、間接人員数がデータ復旧料金を押し上げています。

その高額なコストは実質お客様が復旧料金としてお支払いされている事に気が付かれる事を望みます。


データ復旧の方法について

データ復旧の方法には大きく分けて2つあります。

障害の内容や、お客様のご希望により異なりますから、良い点と悪い点を説明し選択頂けます。

[1:ファイルシステム復旧法]と[2:RAW復旧法]がありますが、一長一短があり、どちらが良いかは一概に言えません。

ファイルシステム復旧法(フォルダ名とファイル名をツリー構造のまま納品)

特に指定されない場合は、「ファイルシステム復旧法」が一般的です。

例えばWindowsのパソコンはNTFSというファイルシステムでフォーマットされており、NTFSのルールに基づきフォルダ名やファイル名に変換され保存・再生されます。

良い点は、復元できた可能性があるフォルダやファイル名が判る事です。

ちなみにWindowsのパソコンは「NTFS」。

USBメモリーやSDカードの場合は「FAT32」又は「exFAT」、

NASは「EXT」又は「XFS」が殆どです。

ファイルシステム復旧法の悪い点は、ファイルの復元率や整合性が悪い事です。


RAW復旧法(拡張子別)

「RAW復旧」とはファイルの拡張子別のフォルダに保存して納品する方法です。

[ファイルシステム復旧法]と比較した場合の良い点は、納品可能なファイル数が増える事。過去保存されたファイルは削除されたファイルでも復元できます。(ヘッダー情報が生きている場合に限りますから100%ではありません)整合性が良い事。断片化しているメディアに効果がある事。

逆に悪い点は、障害発生前のフォルダ名やファイル名が復元できませんから、ユーザー様が復旧を希望されたファイルが復元できているかどうか本人様以外は判らない事です。(業者により異なります)

本人様が1ファイル毎に開いて見るか、プレビューを見るか、コンテンツ内の検索をするか、しないと再利用が可能なファイルかどうか判りません。(業者により異なります)

復元率が悪い場合を除き、(特別に理由がない限りRAW復旧したデータは納品しません。

ファイルシステム法で復旧したファイルのリストを提示後、ユーザー様から「探しているファイルが見当たらない」と言われた場合に、特別に復旧し納品する復旧方法です。

既に削除されていたファイルは時間が経過すると当然破損します。

復旧済みデータを閲覧されたユーザー様がその破損ファイルを見て「復旧できていない」と判断される事があるから、その理由で一般的には納品しないのです。

違いを説明しましてもRAW復旧のデメリットだけが目に付くようです。よって、RAW復旧法はお薦めする方法では内のですが、ファイルが消失して困ってあるユーザー様の事を考えた場合の救済策として対応していますので、あくまで最後の復旧手段として納品する事があります。「復元率が悪い」と短絡した判定をされない事を期待します。


RAW復旧済ファイルのご利用方法

  1. エクスプローラー(スタートメニューで右クリックするとエクスプローラーのショートカット見えます)を起動します
  2. [表示] — [プレビューウインドー]へ切り替えます
  3. 画面の右部半分にプレビューデータ(コンテンツが表示されます)が閲覧できます
  4. 目的のファイル(エクセルデータの場合の例:001.xlsx)をシングルクリックし選択します
  5. 001.xlsxコンテンツが表示されていると思います
  6. 下矢印キーをクリックします。これで002.xlsxのコンテンツが表示されます

コンテンツを検索する方法

[エクスプローラー]を起動します。
[検索]タブより条件を設定します。
画面右上部の検索窓に検索文字を入力します。
結果、ファイルの一覧が表示されます。
ファイル名だけではなく、コンテンツの中のテキスト文字も検索されます。


FOUNDフォルダの中の拡張子がCHKとなっているファイルの再生方法

JPG画像だったファイルは、拡張子文字(CKH)をJPGに変更すると画像が再生されます。

エクセルファイルだったファイルは、CHKをXLSXに変更しますとエクセルファイルが再生されます。又はXLS。

WOEDはDOCXです。又はDOC。

パワーポイントは、PPTXです。又はPPT

OFFICEの場合、が3桁の拡張子は2003年版以前の場合です。

4桁の拡張子は2007年版以前の場合です。


データのバックアップにはどんな方法がある?

バックアップ方法A

  1. 完全バックアップ(初回はこれ。デメリットは時間がかかる)
  2. 増分バックアップ(前回バックアップから増えたファイルだけ追加される)
  3. 差分バックアップ(完全バックアップ後に増えたファイルだけ追加される)

バックアップ方法B

  • 手作業による(手間はかかるが判りやすい)
  • タイマーによる(自動なので手間がかからない。毎日/毎週等設定する)
  • ミラーリング(自動で1ファイル毎に瞬時に保存されるので手間がかからない)
  • ミラーリング(ファイル保存後、指定した時間経過後に自動バックアップ)
  • バックアップソフトに設定

バックアップシステム例

接続方法はLANとUSBが一般的です。

LAN接続の場合

LANはOSが一般的にLinuxですから、HDDの障害が発生した際にはデータ復旧がWindowsの場合より割高とな事が多い用です。そもそも、一般的な家庭用パソコンに接続してもデータは見えません。

USB接続の場合

USB接続は、トラブル時のデータ復旧が簡単というメリットがありますが、接続している方のパソコンに負荷がかかりますのでLAN接続の機器に比較しますと運用中の安定性は劣ります。

ハードディスクを2個搭載したRAID1(別名ミラーリング)というシステムが手軽で安全です。機器購入時には割高です。

ご予算があれば、さらに別のUSB機器やLAN機器等のバックアップメディアへ転送するとより安心です。

データ量によりシステム選択

ソフトは定期的にバックアップするタイプと、変更があったデータのみを都度バックアップするタイプがあります。データ量が多い会社では後者がお奨めです。トラブル時の判かり易さ=復旧費用は前者でしょう。


HDDでより安全に運用するシステム

中小企業向けのシステム

  1. PC Server(サーバー)デスクトップ型パソコンに拡張カードとしてPCIe接続で複数本のHDDへバックアップする。RAID(レイド)と呼ばれます。方法がRAID-1/5/6/10等が主です。無停電装置(バッテリー)やシステムエンジニアレベルの管理者が必要です。サーバーなのでパソコンとは異なる点があります。OSはWindows 10や11ではなく、より信頼性が高いWindows ServerやLinuxが普通です。HDDはSATAではなくSASが普通です。本数は1個ではなく2個~4個が普通です。メモリーはECC無ではなくECC有が普通です。
  2. NAS RAID5(通常4台構成。まれに3台構成あり。1台が死んでも残りの2~3台から復旧可能)
  3. NAS RAID6(4台構成以上。2台が死んでも他の2台から復旧可能)
  4. NAS RAID10(4台構成以上。1台が死んでも復旧可能、又は2台が死んでも復旧可能)

家庭向けのシステム(費用をあまりかけたくない方向け)

  1. NAS RAID1(2台構成。別名ミラーリング。LAN接続。1台が死んでももう1台のHDDから復旧可能。ファイル数が増えても動作が重くならない。複数のPCから楽にファイルが共有可能)
  2. USB-HDD(2台構成。別名ミラーリング。PCにUSB接続。冷却ファンあり。ファイル数が増える程動作が遅くなる。複数PCからのアクセスはファイルの共有は設定が面倒)

危険な運用(間違いの運用)

  1. USB-HDD単体(危険。冷却ファン無なので寿命が短い。縦に設置されるため転倒したら即死)

HDDを取り外す場合の注意事項

HDDの裏面には基盤(緑色のパーツ)があり、その基盤には多くの部品が実装されています。基盤に素手で触れますと、静電気で瞬時に破壊してしまいます。

運次第です。人によっても異なります。作業する場所の床の材質やテーブルの材質にもよります。

対策として、一般家庭の場合や中小企業様などでは、床全体に静電気対策をするのは合理的ではないため、[静電気防止手袋]や[静電気対策用ベルト]を手首等に取り付けた上で作業します。

また、取り外したHDDは静電防止用袋に入れるのが基本です。ヨドバシカメラなどでも販売されており価格は安い物なので揃えておかれる事をお勧めします。

HDDだけではなく、メモリーも静電気に弱いパーツです。よって交換時や増設時にも静電対策をお勧めします。

私が以前メモリー増設作業をしていた時期がありましたが、対策していないとユーザー様の機器には触れさせて頂けませんでした。設置業者のマニュアルにも必ず記載があります。


HDDに関する予備知識

メーカー別の販売シェアは、1位がBuffalo、2位以降はIO-DATAとELECOMです。
しかしホームページにはハードディスク(HDD)を製造しているかのように記載がありますが、実際にはこの3社では製造されていません。

ハードディスク(HDD)の容量別販売数の傾向ですが、据え置き型は1TB未満は生産されておらず2TBのモデルが増える傾向です。

据え置き型ハードディスク(AC電源モデル)には3.5インチHDDが内蔵されていますが、シーゲイトの1TB以上は致命的物理障害が多くデータ復旧率も悪いです。
特に酷いのはSeagate製の1TB以上のモデル(型番ST-1000DM001やST2000DM001等)は最悪です。
ウエスタンデジタルや東芝も大容量程不良率が高いですので2TB以上はできるだけ使用されない事をお勧めします。

ポータブル型(USB給電モデル)には2.5インチのハードディスクが内蔵されており、500GBの物が最小サイズで最多は1TBのモデルです。特に不良率が高いモデルはありませんが、容量の大きなサイズ程寿命が短く、復旧率も悪い傾向です。

必要以上に大容量のハードディスクを購入しないようにしましょう。最近では500GBの生産量も減っておりメーカーや型番を選べないようになってきました。従いまして1TBがお勧めです。

500GBのバルク品ハードディスクを別売りのケースに組み込むのもお勧めですが割高となります。特に安いケースは不良が多いです。


HDDを認識できる場合

SMART情報を参考にする

MART情報とは、HDD自身が発信している健康状態を項目別に数値化した物です。

現在の状態の他、過去に発生したエラーの内容がHDD内部に記録されています。

主な情報は以下の通りです。但しこの数値だけでダメージの程度の判定はできません。

私は過去の経験から95%程度は信用できる情報だと感じています。データ復旧サービスの初期診断でよく利用する理由は、スキャンが必要ないため物理障害のHDDをより痛めない方法である点です。

もしHDDの再利用が目的の検査なら全セクターを長時間かけ鏡面検査する方法がより正確ですが、データ復旧ではこの行為が命取りとなりますから絶対にやってはいけない事です。PC修理屋さんはこの方法で中度障害のHDDを殺した後「重傷でしたのでデータは復旧できませんでした」と結果報告されますがら要注意です。

メーカー名 製造会社名
モデル名 型番
シリアル番号 製造番号
電源入切回数 回数が多い程痛みます。
通電時間 40度未満での運用など、冷却が正常なら10万時間以上使用できるモデルが多い。20万時間以上は交換がお勧め。
代替不良済セクター 過去発生した不良セクターが代替用セクターと交換されたセクターの数。基本的にはデータ復旧には影響がない。
不良セクター数 データ復旧及び動作に最も影響するセクターの数。物理フォーマットで代替準備セクターと入れ替える事で解決できる事が多い。
代替回数 過去、不良セクターが代替準備セクターと交換された回数
代替不可能セクター数 代替交換処理が不可能な状態のセクターの数。物理ふぉマットでも解決できない事が多い。
衝撃回数 落下や強い衝撃を受けた回数。データ復旧に影響する場合いとしない場合いがある。数が2桁の場合いは使い方に問題があると思われます。

HDDを認識しない場合

USB接続の外付けハードディスク(HDD)がパソコン(PC)で認識しない?というトラブルについて解説します。

症状

1:外付けハードディスクを読み込もうとするも、フォルダやファイルが開けない。
2:ハードディスクから「フォーマットして下さい」とエラーメッセージが表示される。
3:電源を入れてもハードディスクが回転する音がしない。
4:電源ランプが点灯しない。(消灯)
5:ハードディスク内部から通常聞きなれない音がしている。「カッチン、カッチン」
6:「アクセスできません。アクセスが拒否されました。」とエラーメッセージが表示される。

どんな状態?

1:物理障害が発生している。
2:論理障害が発生している。
3:物理障害と論理障害が両方発生している。
4:USBケーブルが不良
5:ACアダプタが不良
6:基盤が不良

やる事

・機器の電源を切る。
・機器をコンセントから外す。
・再度通電しない事をお勧めします。

電源を切らなかった場合

復元できたはずのデータが復元できなくなります。


東芝製の基板一体型

東芝製のUSB3.0接続ハードディスクは、写真画像のようなUSB3.0端子とハードディスクのPCB基板が一体化されたモデルがなぜか(製造コストが安いのでしょう)増えてきているようです。最近よく見かけるようになったハードディスク本体の型番はMQ01UBD100又はMQ04UBF100です。端子が基板と分離してしまったり通電しなくなる物が多いです。端子破損の場合、通常のモデルなら1万円台で修理や簡易データ移行できる物が、これらのモデルは基板交換が不可能なため重度障害のデータ復旧料金となります。東芝製ケース入り型番HD-AC10TKやHD-TPAU3-B/Nが該当します。

東芝製ハードディスクMQ01UBD100表面東芝製ハードディスクMQ01UBD100裏面

データ復旧装置は基本的にSATA接続ですがOSのドライバーの影響を受けないようにマザーボードに直結しない。データ復旧装置端子SATAへ接続します。

その点、USBインターフェースのモデルは直接マザーボードのUSB端子に接続するしかありませんでしたが、当店ではUSB端子のデータ復旧装置を導入済です。よって他社で復旧できないか又は開封してヘッド交換しないと復旧できないと言われた場合も、当店なら開封せずに復旧できる事がありますからその分安くなります。

WesternDijital製の基板一体型

ウエスタンデジタルのケースに入ったモデルは一体型のモデルや暗号化されているモデルが多いようです。このようなモデルは購入しないようにするしかないですね?しかし購入時にどこで見分けるかが難しいですね?


大容量HDDは危険

東芝とウエスタンデジタルのポータブル型(2.5インチモデル)1TB未満の小・中容量HDDは軽度~中度の障害が殆どですが、2TB以上の大容量HDDは重度物理障害が多く、現在のハードディスクの製造技術では実質限界は1TBだと思っています。

据え置き型3.5インチモデルは復旧不可の判定となるモデルも大容量程多い。3社の内、シーゲイトは初期不良率も高く寿命も短いです。

6TB以上のモデルは殆ど復旧できないと言われております。同じモデルでもパーツの互換性がない事。同じ仕様のドナーが準備できない事。プラッタ枚数が多いから。製造メーカーの技術が大容量に未熟だから・・・。こんな物を製造するメーカーに責任があると思います。

なぜ?保存されているデータ容量は少ないユーザー様が、大容量のHDDを好んで購入されるか疑問です。


暗号化HDDは危険

購入したらいけない外付HDD

メーカー名 型番
Buffalo HDS-PZNU3TV3
Buffalo HD-PZ1.0U3
IO-DATA HDPD-SUTB
ELECOM H-PMPH00
ELECOM H-PLPH00
WesternDijital My Book Duo
WesternDijital My Book Pro
WesternDijital My Passport
WesternDijital My Book – WDBFJK
WesternDijital My Book-WDBYCC

・危険な理由 ⇒ ハードウェア暗号化モデルだからデータ復旧不可又は超高額となります。
覚え書き:

記録方式の違い

CMR方式:〇 安定 早い
SMR方式:? 不安定 遅い

メーカー モデル 記録方式
WesternDijital WD80EAZZ CMR
WD60EZAZ SMR
WD40EZRZ CMR
WD40EZAZ SMR
WD30EZRZ CMR
WD30EZAZ SMR
WD20EZBX SMR
WD20EZRZ CMR
WD20EZAZ SMR
WD10EZRZ CMR
WD10EZEX CMR
WD5000AZLX CMR
WD5000AZRZ CMR

暗号化USBメモリーは危険

USBメモリーにパスワードをかけて使用してある方へ警告です。

最近では大容量の物が安価で販売されるようになりUSBメモリーは抜き差しができるため手軽にデータの持ち運びができる事で誰でも利用しているメディアとなりました。

同じ物が安くなったのではありません。製造コストの安価なメモリー(TCL)が販売されているだけなのです。

つまり年々寿命が短く、信頼性も年々低下しています。

その信頼性の低いUSBメモリーにパスワードロックをしている方が故障してデータ復旧に持ち込まれるケースが増えてきています。

ハードウェア(基盤)にセキュリティーが搭載されているモデルもあります。

ソフトウェアが付属していてパソコンにインストールするモデルもあります。

いずれにしましても論理的な障害の場合、データ復旧は不可能です。

軽度物理障害ならデータ復旧が可能な事がありますが・・・。

まとめ:パスワードをかけるのは止めにしましょう。

情報の漏洩の殆どは、従業員が故意に持ち出す事で発生しています。どんなセキュリティーをかけても同じ事です。